私は昨年から、絵本研究に熱心な仲間、三田律子さんの「瀬田貞二の絵本論」を読む会に参加しています。
瀬田氏は、昭和60年以降、児童文学界の大御所で評論、創作、翻訳で大活躍されました。
グリム童話のなかにあるねむりひめの話は、皆様先刻ご承知でしょうから、ここでは触れず、ねむりひめを読む瀬田氏のことばをご紹介したいと思います。ほんの一部なので、分かりにくいですから、できれば実際に原本にあたって読んでくださいね。
作家フェリクス・ホフマンはこのお話を病床の娘に書きましたので、娘の好きな、猫、お菓子、ユーモアを書き込んでいます。
あっ、痛い!姫は倒れ、台所ではかまどの火が消え、小僧も、小僧を叱りつけていた料理人も、馬も、犬も、かべのハエもみんな、城じゅうが眠りました。なにひとつうごきません。
ところが百年の間に成長していたものがありました。なにかな?
ホフマンの娘はきっとみつけましたよ。ほら、イバラが小僧の帽子を。
絵本の原点は親がこどもを楽しませるために、そして自分も
子供とこころを通わせるために作るところにあるんですね。(Y,N)
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グリム童話作
フェリクス・ホフマン絵
瀬田貞二訳
複音館書店
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